相続手続きの流れとは?税理士に任せることのメリットと一緒に解説

相続税申告の流れに関するイメージ

細かい作業が発生する相続手続きですが、大きく分けて「相続人の確定と財産評価」「遺産分割協議」「相続税申告書の作成と提出」「税務調査に入られにくくするための事前対策」の4段階に分かれます。一連の手続きは10か月以内に終える必要がありますが、しっかり理解しておけば落ち着いて進めることができます。各段階でやること、税理士に任せるメリットを解説していきます。

1.相続人の確定と財産評価

実施すること

亡くなった方(被相続人)の相続人を確定させ、財産の評価をします。
相続人を確定させるには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本と、相続人の現在戸籍を役所から取り寄せる必要があります。
財産の評価をするには、まず、評価に必要な書類を取り寄せたり、自宅にある書類を整理したりする必要があります。準備する書類は、預金や有価証券は残高証明書、不動産は固定資産税等の納税通知書等、生命保険は保険証券や支払通知書が該当します。次に、それぞれの財産について定められた計算方法に基づいて評価していきます。これらの財産に、債務や葬式費用なども加えて最終的に財産目録を作成します。

税理士に任せるメリット

評価額及び納税額の最小化

定められた計算方法を一つ一つ調べて計算することは労力を費やし、計算方法を間違えてしまう可能性があります。

税理士に任せることにより、計算方法通りに計算をしてもらうことができ、評価の減額項目も適正化できるため、 納税額を最小化することができます。 その他に、税法の優遇規定において、不動産の使途や家族の状況によって、評価額を更に減額する特例や、税額自体を減らす控除も設けられています。これらの減額・特例・控除をフル活用することにより、税負担を減らすことができます。

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スケジュール管理

相続手続きはやることが多くていつまでに何をすればいいのか分からない場合があります。税理士のサポートを受けることで、全体の流れを把握し、いつまでに何をすればいいのかが紙面上で分かります。自分がやること、税理士に任せられることが区分けできるため、10か月以内に申告書の提出と納税をするイメージができます。

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書類集めにかかる労力と時間の圧縮

何も分からないところから書類集めをすると、労力と時間がかかりがちです。税理士に依頼することにより、必要書類一覧のリストを見ながら取得方法を確認することができるので、無駄な手間を省くことができます。また普段忙しく書類集めに時間を使えない方は、書類収集の代行も依頼することができます。
当事務所は書類収集を代行する司法書士と連携しているため、川崎エリアをワンストップで書類集めから財産目録の作成まで実施することができます。

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2.遺産分割協議

実施すること

預金・不動産の名義を相続人に変更する時と、相続税申告書を提出する時には、遺産分割協議書が必要となります。遺産分割協議書は、財産目録のうちどの財産を誰が相続するのか明記されたもので、相続人全員が署名と実印で押印をします。

相続税申告において、分割協議が最も肝になります。
なぜなら、分割協議が、最もトラブルが起きやすく、相続人同士の確執を生む原因になっているからです。また、無計画な分割(例えば、とりあえず配偶者など)にすることにより、予想もしないトラブルや、その後重い税負担を相続人が負ってしまう可能性もあります。

遺産分割に関して関与度合いは、税理士事務所によって様々です。
相続人から詳細なヒアリングをせずに、財産目録とそれに応じた相続税の試算を伝えるだけで分割に関することは相続人に任せるといった、分割協議の関与について消極的な税理士事務所が多い印象を受けます。

当事務所では、分割協議をしっかりすることで、円満・円滑に相続手続きを行うことができるため、相続人の方々の話に耳を傾け、納得して分割協議を行ってもらえるように、必要な情報提供を積極的に行っています。

税理士に任せるメリット

冷静な分割協議のお手伝い

遺産相続において、遺言書が用意されていないことがほとんどです。そうなるとゼロから親族同士で遺産分割を話し合うことになりますが、分割方法に正解はありません。話し合うなかで感情的になったり、不公平を感じたりする人が出てしまうことも多いです。第三者の立場である税理士に分割協議に立ち会ってもらうことで、他の相続の事例なども紹介しながら、すべての相続人が冷静に話し合い、納得できる遺産分割をすることができます。

二次相続を見据えたアドバイス

二次相続とは、はじめての相続(一次相続)で配偶者と子供が相続した後、その配偶者が亡くなったことで発生する二度目の相続のことです。
よく「とりあえず母親に全額相続する」と安易に選択してしまうことがありますが、一次・二次トータルの相続税を余計に支払う結果に繋がることがあります。
税理士から将来的な二次相続時の税額のシミュレーションの提示やアドバイスを受けながら分割協議をすることで、最適な遺産分割をすることができます。

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不動産の分け方・持ち方対策

不動産が実家のみの場合で、相続人が複数いるときには、誰がその実家を相続するのか、現預金で調整して公平に分けるにはどうしたらいいのか悩む方が多くいます。また不動産が実家と駐車場(賃貸物件)など複数ある場合でも、公平に分割するためのそれぞれの不動産の価値を算定することは難しく、同様な悩みを持つケースがあります。税理士を頼ることによって、その調整の落とし所を決めて分割協議をスムーズに進めやすくなります。

将来の生活資金確保と財産保有リスク対策

相続人のなかには、蓄えが少なかったり、収入が少なかったりする方もいます。専業主婦をしていて年金が少ない配偶者の方や障害をお持ちの方などの今後の生活をどのように支えていくか、ということも考える必要があります。税理士の客観的な視点から、税金面だけでなく預金・不動産の管理も考慮にいれ、どのようにすれば家族が安心した生活を送ることができるかという相談に乗ってもらえます。

納税資金対策

被相続人の全ての財産に占める不動産の割合が多いと、全ての相続人で納付する相続税が、被相続人の現預金より多くなることがあります。また、一人の相続人が相続する不動産の割合が多いと、その相続人が納付する相続税が、その相続人が相続する現預金より多くなることがあります。それぞれの場合では相続人固有の現預金から相続税を払う必要があります。税理士に頼むことで、いくら足りないのか、不足分はどのように賄うのかということを様々な視点から助言を受けることができます。

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3.相続税申告書の作成と提出

実施すること

相続税申告とは、相続により相続人が取得した遺産に対して課税される相続税額を税務署に申告することを言います。相続税額は、先述した、財産評価の減額・特例や控除を活用することにより、税負担を減らすことができます。また、相続人が複数いる場合は「共同相続」となり、基本的に相続人全員が1つの申告書に連名を記して提出します。

税理士に任せるメリット

作成の手間が省ける・書類の添付漏れなく税負担を抑えられる

相続人の状況や財産評価した金額を税務署所定の申告書に記載をしていきます。税負担を減らす、財産評価の減額・特例や控除を受けるには、申告書に必要事項を記載すると共に、一定の書類の添付が必要になることがあります。記載と添付がないと財産評価の減額・特例や控除が受けられないこともあります。税理士に作成と提出を依頼することで、申告書作成の手間が省け、記載と添付の漏れをなくすことができます
また、仮に自分で申告をして、間違って過大な相続税を納付したとしても、税務署は納めすぎなので返しますということは教えてくれません。

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4.税務調査に入られにくくするための事前対策

実施すること

税務調査に入られにくくするために理解されやすい申告書を作成し、それに応じた必要な根拠資料を添付する必要があります。また、税務署は財産が減らすことに目を光らせているため、過去の通帳の入出金の状況を相続税申告書作成の際に確認をする必要があります。

税理士に任せるメリット

税務調査リスクを軽減できる

自分で申告する場合、意図せず財産の漏れや、評価が過少になる場合があります。このような申告の不備が見つかった場合、追徴課税が発生してしまいます。税理士に任せることで、不備をなくし、税務調査による追徴課税の発生リスクを抑えることができます。また税理士の経験を借りることで、分かりやすい申告書になり、通帳の入出金で疑義がある部分を事前に潰すことにより、税務調査に入られにくくするための事前対策をすることができます。

税務調査の対応を一部任せられる

税務調査がある場合、申告書を提出した1~2年以上後に行うことになり、亡くなったときのことや申告書作成時のことを覚えていないことが多いため、税務調査対応にも手間がかかります。また、調査のプロである税務署の職員と対応することに不安な方が多くいます。
税理士に相続税申告の作成を委任すると、相続に関しての税務署からの連絡は、基本的に税理士になるため、税務署とのやりとりする手間と、不安をなくすことができます。

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さいごに:求められる税理士の役割と付加価値とは。

oogleやChatGPTを検索すれば、「一般的な情報」や一定の前提をおいた「正解」が出てくるのでそれらを駆使すれば、ある程度のことはできるかもしれません。しかし、家族の状況や財産の状況は様々で、100人いれば、100通りの相続があります。「一般的な情報」や「正解」だけを頼りに、正確に自分の家族に当てはめることができるのでしょうか。

先述した、「相続人の確定と財産評価」「相続税申告書の作成と提出」「税務調査に入られにくくするための事前対策」は、専門性が求められるため、税理士事務所の専門分野をしっかり見極める必要があります。相続専門の税理士事務所なら定型業務であるため、スムーズに進めることができます。
一方相続手続きにおいて一番の肝になってくる「遺産分割協議」は相続人の要望が様々なため、定型業務で進めることはできません。ここに時間を割くのはとても非効率なことになるため、相続専門の税理士事務所でも関与をあまりせず、相続人に任せたり、簡易的に済ませたりすることがとても多いように感じています。

当事務所では、相続人が円滑な話し合い、計画的な分割により税負担を抑えられることに重きをおいております。
そのため、相続人の方の話を徹底的に聞くことで、要望を整理し、また、相続人の方も気付いていない希望や不安をしっかり汲み取って、納得して分割協議を行ってもらえるように努めております。

一生に1か2度の大事な相続の手続きについて、良き伴走者として方向性を指し示していくのが、求められる税理士の役割であり、付加価値なのではないでしょうか。

今回は亡くなった「後」の話に焦点を当てました。今後はそれだけでなく、生前やっておくとよい親族間の話し合いや手続きなど、将来相続が発生する予定の方々に向けた記事も発信していきます。

かやはら税理士・司法書士事務所では川崎エリアを拠点に、「円満・幸せ・円滑な相続」をテーマに皆様のご支援をしています。お気軽にお問合せください。