相続税申告までのTODOリストを公開!川崎の相続税専門税理士が解説

「心に余裕を持って相続手続きをしたい」と感じている方は多いのではないでしょうか。そんな方は「TODOリスト」を相続税専門の整理士と一緒に作るのをおすすめします。そうすることで、自分がいつまでに何をしなければいけないのかをハッキリさせることができ、安心して日常生活を送れるようになるからです。

相続税申告までのTODOリスト

こちらは、川崎で相続税専門の税理士業を営んでいる私がお客様にお見せしているTODOリストを抜粋したものです。

分かりやすくするために4月1日を相続開始日、初回の面談日が6月1日と仮定しています。時期については、ご依頼頂いた場合の目安となるスケジュールの日付を記載しています。「実施者」欄の内容は当税理士事務所の場合ですので、他の税理士事務所では違う場合もあります。

お客様によって状況は様々ですので、いずれかの工程に時間がかかり、もっと時間を要する場合もありますが、一般的に初回の面談から3カ月以内に相続税の申告・納付までを終えるスケジュール感で進めています。

実施者欄に「税理士事務所 or お客様」と記載しているのは、どちらでも実施できる項目です。当税理士事務所は川崎の司法書士とも提携しているので、No.3、4、13、14の各種書類集めや手続きを請け負うことも可能になっています。

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「戸籍謄本等の取得」とは?

戸籍謄本は最寄りの市区町村役場で取得できます。取得できるのは戸籍に記載されている本人とその配偶者、直系の血族(父母・子供)、委任状をもった専門家(司法書士等)です。

2024年3月から広域交付制度が始まり、どこの自治体の戸籍謄本でも取得できるようになりました。ただし広域交付制度の利用が許されているのは配偶者と直系の血族のみです。

「金融機関の残高証明書の手続き」とは?

「預金残高を知りたいなら通帳で良いのでは」と思うかもしれませんが、そうでもありません。人によっては同じ金融機関に複数の口座を持っている場合があり、必ずしも手元にある通帳がその金融機関における預金残高を証していない可能性があるからです。

残高証明書は、すべての口座における預金残高が記載されています。預貯金以外に、上場株式・公社債・投資信託がある場合にも残高証明書の発行手続きを行います。そのため、相続の際は、亡くなった方が取引していた全ての金融機関から発行してもらう必要があります。

手続きに関連する書類を取り寄せ、平日に金融機関で手続きする必要があります。自分でもできますが、煩雑な場合には、連携する司法書士が手続きを請け負うことも可能になっています。

「生命保険の請求手続き」とは?

被相続人が生命保険に加入している場合は、相続人が死亡保険金を請求します。保険会社に連絡して、各社が定めた方法で申請手続きをします。一般的に次の書類が必要になりますので、保険証券については、可能であれば生前から準備しておくことをお勧めします。

・保険証券
・被相続人の住民票
・被相続人の死亡診断書
・受取人の戸籍謄本・印鑑証明書

「役所等の手続き・各種書類準備」とは?

役所等の手続きは、下図にやるべきことを示します。全ての人に全項目が当てはまるわけではありませんが、役所等で手続き漏れがないようにしましょう。

手続名手続先
死亡届の提出本籍地・死亡地・届出人の住所地の役所
死体火葬(埋葬)許可申請書の提出同上(死亡届と一緒に提出)
世帯主の変更届の提出被相続人の住所地の役所
年金受給停止の手続被相続人の住所地の役所
介護保険資格喪失届の提出被相続人の住所地の役所
国民年金の遺族基礎・寡婦年金の請求被相続人の住所地の役所
国民健康保険加入者葬祭費の請求被相続人の住所地の役所
厚生年金の遺族厚生年金・請求被相続人の勤務先の社会保険事務所
健康保険加入者の場合の埋葬料請求健康保険組合か社会保険事務所
高額療養費の申請健康保険組合か被相続人の住所地の役所
労災保険の埋葬料請求被相続人の勤務先の労働基準監督署
労災保険の遺族補償給付請求被相続人の勤務先の労働基準監督

「過去の贈与の状況の確認」とは?

子や孫に贈与した以下の財産については、亡くなった方の相続財産に加える必要があります。

① 亡くなった日に応じた、3~7年前の暦年贈与財産
② 相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産

自分自身でも贈与税の申告や相続時精算課税の適用を受けたか曖昧な場合や、他の相続人等の状況が不明な場合な場合には、税務署へ過去の贈与の状況を確認する必要があります。

「準確定申告の提出と納付」とは?

準確定申告とは、亡くなった方が本来行うはずだった確定申告を、相続人が行うことです。1月1日から亡くなった日までが納税額の計算対象となる期間で、亡くなったことを知った日の翌日から4カ月以内に申告する必要があります。

例えば川崎市にお住まいだった場合は、川崎北税務署、川崎南税務署、川崎西税務署へ申告します。申告が不要なケースもありますので、お近くの税理士に相談してみるのをお勧めします。

「相続人の青色申告承認の届出」とは?

給与所得のみの会社員である相続人が被相続人から賃貸物件を引き継ぐと、不動産所得を得るため、相続の年以降に確定申告をする必要があります。事前に税務署に届出をすることで一定の特典を受けることができます

青色申告承認申請書は、亡くなった日や被相続人・相続人の状況によって提出期日が異なるので注意が必要です。

「相続人に分割内容に沿った申告の報告」とは?

まずは、被相続人の財産目録を作成し、相続税の総額を報告します。その後、希望する分割案に応じた、相続人一人一人の財産の割合や相続税の報告をします。

特例などを考慮して相続税の負担を少なくする分割がしたい、二次相続を見据えた分割がしたい、不動産が実家のみまたは複数あるため公平になるような分割がしたいなど要望がありましたら、それに合わせた分割案の提案をします。

「金融資産の解約・名義変更等」とは?

預金と上場株式・公社債・投資信託について手続きに関連する書類を取り寄せ、平日に金融機関で手続きする必要があります。自分でもできますが、煩雑な場合には、連携する司法書士が手続きを請け負うことも可能になっています。

「不動産の名義変更」とは?

不動産の名義変更とは、法務局が管理している不動産情報を変更する手続きです。具体的には登録事項証明書(登記簿謄本と呼ばれる)の名義人を変更します。

申請には期日があり、相続したことを知った日から3年以内に申請しなかった場合は罰金が科されることもあります。「自分でやるのは手間で誰かに任せたい」といった場合、司法書士に委託しましょう。当税理士事務所では提携する司法書士をご紹介しています。

さいごに(川崎で相続に携わり続けて思うこと)

本来、大事な方が亡くなってからの時間は故人を偲ぶために使ってほしいと思っています。煩わしい手続きで心乱されていては、亡くなった方との最後の時間を大切にできなくなってしまうのではないでしょうか。心に余裕を持って相続手続きをするために、是非やるべきTODOを明確にして、税理士に任せられるところは任せて、自分の時間を確保していただきたいと思います。

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